【山口】『獺祭』の特徴・種類・歴史・飲み方・味わい!

獺祭』は、山口県の旭酒造が手がける日本酒で、飲みやすさとその豊富な種類が話題となり2010年ごろからの日本酒人気復活の立役者となった銘柄です。

酔うため、売るための酒ではなく 味わう酒を求めて」をポリシーに、日本酒業界で一大人気を誇る”獺祭”。

今回は、磨き抜かれた美しい日本酒『獺祭』をご紹介します。

 

【山口】『獺祭』究極に磨きぬかれた美しい日本酒!

獺祭の苦悩の歴史!

倒産の危機!

獺祭を造る旭酒造は、山口県の片田舎、岩国市の周東町獺越という場所にあります。

もともとは普通酒と呼ばれるごく一般的な日本酒を製造し、地元で細々とお酒を売っていた会社でした。

 

しかし、1980年代ごろより日本酒の出荷量は全国的に激減し始め、経営状態は倒産寸前まで追い込まれました。

 

獺祭の開発!

そんな中、1984年に父親から旭酒造を継いだのが3代目蔵元の桜井博志氏です。

桜井氏は大学を卒業後、灘の酒販メーカーの営業を3年半ほど経験していたものの酒造りに関してはまったくの素人でしたが、旭酒造に革命を起こします。

 

それが獺祭の開発です。

その当時販売していた普通酒「旭富士」を廃止し、純米大吟醸酒のみを造るという方針に変え、試行錯誤を6年繰り返し、獺祭づくりに成功をしました。

 

東京進出!

獺祭は地元で販売するよりも東京で販売するべき、という桜井氏の理念のもと1990年に東京進出。

そして、その2年後に、現在の獺祭における代名詞的商品「獺祭 磨き二割三分」が製品化され、世に出回るようになりました。

 

酒米の代表的銘柄「山田錦」を77%精米して造りあげられた獺祭磨き二割三分は、その飲みやすさやフルーティーな香りから一気に人気が上昇。

ほかの日本酒より比較的高価な商品ながら、その販売量は右肩上がりで業績をアップさせていったのです。

 

現在では東京のみならず全国的にその出荷量を高め、さらには海外への進出も果たしています。

 

桜井氏の考えは「海外で日本酒が売れなければ未来がない」というものであり、革新的な挑戦は現在も続いています。

 

獺祭の特徴とは?

“杜氏制度”を廃止し、醸造量2倍!

獺祭の最大の特徴を挙げるとするならば”「杜氏」がいない”という点です。

杜氏とは日本酒造りには欠かせない専門家で、日本酒製造における最高責任者の役割を果たすポジションです。

 

通常の酒蔵なら必ずいる杜氏がいないというのは、一見デメリットのように感じます。

しかし、旭酒造では杜氏制度を廃止したことにより、日本酒の品質を経営者が直接チェックできるという利点も生まれました。

 

また杜氏は主に冬場に酒蔵に来て日本酒を造り、春には帰っていってしまうというサイクルで働いています。

しかし、旭酒造ではその杜氏がいないことにより、通年酒造りを行えるマニュアルを作成し醸造量を2倍に高める効果も生み出しています。

 

これまで杜氏がいたころに蓄えたデータをもとに、酒米に対する水の吸水量の数値や発行状態を管理して獺際は造られています。

こうすることにより、誰にでも管理することができる状態を作りあげ、品質にバラつきが起こることを防いでいるわけです。

現在もその管理体制はパートの女性が担当し、獺祭造りに一役買っているということですから、驚きの経営手腕といえるでしょう。

 

7日間磨き上げられる山田錦!

こうした管理のもと造られている獺際ですが、その味の特徴としてはやはり「山田錦」の存在が外せません。

国内でも有数の酒米として扱われている山田錦ですが、その玄米を50%以上削り落とし精米することで大吟醸酒は造られています。

 

当初、獺祭は酒米を73%削り落とすことを目標にしていました。

しかし、開発途中で日本で一番の精米率を誇ろうとし、さらに精米比率を上げました。

 

結果として現在の77%精米の「獺祭 磨き二割三分」が誕生し、そのブランド価値を高めることに成功したわけです。

 

この精米には、およそ168時間かかり、つまりは7日間もの長い間丁寧に磨き上げられているということになります。

雑味がなく甘い薫りが獺祭の魅力ですが、その根本にはこうした努力が隠されているのです。

→関連記事:『最高品質の酒米”山田錦”の特徴!

 

バリエーションの豊かさ!

また、獺祭の種類には、発泡性の濁り酒や燗酒に適したバージョンの大吟醸酒など、様々なものが取り揃えられています。

こうしたバリエーションの豊かさも獺祭が人気となった理由であり、ひとつの特徴といえるでしょう。

 

獺祭の種類はどれくらい?

現在、獺祭は様々な種類の製品がラインナップとして並べられています。

ここではその獺祭の定番商品から限定商品までを紹介しながら、簡単に説明していきます。

 

○獺祭 純米大吟醸50

獺祭 純米大吟醸50』は、精米の歩合を50%の留めた大吟醸酒です。

通常の獺祭よりも価格が安いのが魅力的です。

→関連記事:『『獺祭 純米大吟醸50』の究極の飲み方!日本酒初心者にオススメの名酒!

 

○獺祭 純米大吟醸磨き三割九分

獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分』は、山田錦を61%削り落として造られる獺祭の大吟醸酒です。

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○獺祭 純米大吟醸45

獺祭 純米大吟醸45』は、「獺祭 純米大吟醸50」と「獺祭 純米大吟醸磨き三割九分」をブレンドした逸品です。

居酒屋などではなかなかみられない逸品ですので、お得なネットでの購入をオススメします!

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○獺祭 純米大吟醸磨き二割三分

獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分は、獺祭における代表的銘柄です。

スタンダードな獺祭といえばこちら。

「感謝」の文字入りの木箱で贈る獺祭は、プレゼントとしても人気があります。

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関連記事:『『獺祭 磨き2割3分』価格を凌駕する味わい!世界を唸らせた日本酒!

 

○獺祭 磨き二割三分 遠心分離

同じ獺祭でも造り方を変えているのが、こちらの遠心分離シリーズ

精米比率も様々なものがあります。

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○獺祭 磨き二割三分 発泡にごり

獺祭 磨き二割三分 発泡にごり』は、酒造りの工程で、まだ発酵途中のものを瓶詰めし二次発酵を促した日本酒です。

シャンパンの造り方と同じだが、それ以上の発泡性を持つのが特徴です。

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○獺祭 夏仕込み しぼりたて生 純米大吟醸 三割九分

通常は冬場に仕込む日本酒ですが、『獺祭 夏仕込み しぼりたて生 純米大吟醸 三割九分』は8月に仕込んだもので、限定の商品となっています。

 

○獺祭 等外

基準を満たしていない「等外品」の山田錦を使用し、50%~73%精米で造られる獺祭シリーズ。

獺祭 等外』は、ほかの獺祭シリーズより価格が安いのが特徴。

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○獺祭 古酒

熟成年数の異なる古酒をブレンドした限定の商品。

 

ほかにも「獺祭 初心」や「獺祭 試」といったラインナップがありますが、希少価値が高いものも多く、見かけたらすぐに飲むことをおすすめします。

 

獺祭の飲み方!

ご紹介したように、獺祭には様々な種類がありますので、それぞれに適した飲み方や温度があります。

 

磨き二割三分の飲み方!

獺祭の代表格である「磨き二割三分」は、冷蔵庫で冷やして、冷酒もしくは常温で飲むのがベストとされています。

獺祭は段々と温度が上がることによって香りが開いていく様子も楽しんでもらえるように造られていますので、ゆっくりとワインのようにその変化を味わってみてください。

 

濁り酒などのスパークリングタイプの飲み方!

また、濁り酒などのスパークリングタイプの獺祭は、シャンパンクーラーなどの氷水に20~30分漬けておくのがおすすめです。

キンキンに冷やした獺祭の濁り酒はシャンパンを超えるほどの発泡性と甘みを秘めています。

獺祭は食前酒にも最適ですので、食事と合わせて楽しんでみてください。

 

 

ワイングラスで一味違った味わいを!

 

獺祭を飲むときにはワイングラスを用いると、さらにその香りが高まり美味しく飲むことができます。

酒器にこだわってみるのも大人の嗜みのひとつと言えるかもしれません。

ちなみに匂いの強い肴と一緒に飲む際には、香りがこもらないよう口の広い盃を推奨いたします。

 

知っていると一目置かれる!獺祭の豆知識!

獺祭の名前の由来!

獺祭という商品を目にしたときに、最初に感じるのが「」の違和感だと思います。

あまり常用する漢字ではありませんので、読み方が分からない方も多いはずですが「カワウソ」と読みます。

 

これは、獺祭が製造されている旭酒造が、山口県岩国市の獺越という地域にあるため、名付けられたものですが、そもそもは別の意味があります。

 

「カワウソ」は川で魚などを獲ると、岸辺に獲った魚を並べる習性を持っています。

その様子が神様にお供え物を捧げているように見えることから「獺祭」という言葉が生まれました。

 

そのため、古くからある言葉のひとつであり季節を表すときにも用いられています。

「カワウソが漁のために魚を獲りはじめる時期」ということで、春を意識した季語でもあるわけです。

 

獺祭と正岡子規!

また獺祭という言葉から連想されるのは、文学に明るい方ならば「正岡子規」を思い浮かべるかもしれません。

自らを「獺祭書屋主人」と名乗った正岡子規は明治時代に革新的な文学者としてその名を上げています。

 

そうした部分からも「酒造りは夢創り、拓こう日本酒新時代」をキャッチフレーズに、旭酒造は変革と革新の中からより優れた酒を創り出そうとする想いを込めて、自分たちの造る日本酒に「獺祭」という名前を付けました。

 

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