日本中から一級品のお酒が集まるコンクール「全国新酒鑑評会」で、史上初の6年連続受賞銘柄数日本一に輝くなど福島県の酒造りのレベルが近年とても上がっています。
その先駆者となったのは、地酒ブームに火をつけた立役者のひとつであり、入手困難なプレミア酒として知られる『飛露喜』を造る”廣木酒造本店“です。
日本酒ファンであれば知らない人がいない”飛露喜“ですが、全国的なブレイクまでには多大な苦労があったようです。
【福島】『飛露喜』福島の日本酒のレベルを上げた名酒!
Contents
『飛露喜』が生まれた歴史!
会津の伝統酒蔵”廣木酒造”!
飛露喜を生んだ廣木酒造は福島県の会津地方にあります。
福島県、なかでも会津地方は昔から酒造りがさかんな地域でした。
会津坂下町に建つ廣木酒造本店も、江戸時代後期となる文化文政年間創業という伝統ある酒蔵です。
苦難を経て生まれし日本酒!
飛露喜の誕生は1998年頃で、現社長の廣木健司氏が蔵に戻り、様々な苦難を乗り越えて造られた日本酒です。
廣木社長は大学卒業後、大手ビール会社系の洋酒メーカーに就職し、1994年に蔵に戻りました。
その2年後、長年働いていた杜氏が辞め、その一年後には先代の社長である父が死去。
一時は廃業も考えたそうですが、NHKの番組で取り上げられたのをきっかけに、東京・多摩市にある有名な日本酒専門店の社長から連絡をもらい、なんとか良いお酒を造れないかと挑戦し続けて完成したのが、のちに”飛露喜”となる日本酒です。
『飛露喜』の味わい!
蔵人たちが少量のお酒を丹精込めて造る飛露喜は、透明感があるキレイな酒質ですが、それでいてお米の味わいがしっかりと感じられるのが特徴です。
香りは青りんごのようなフルーティさがありますが、これは酵母ではなく丁寧な造りに由来するものです。
寒い福島の酒らしく、ほどよいキレと後にじわっと残る余韻も印象的です。
季節限定で主に年末から年明けに新酒の無ろ過生原酒が流通しますが、こちらは甘みとボディ感がしっかりと出された力強い銘柄となっています。
一番目にすることの多いのは、一回火入れの特別純米酒です。
『飛露喜』のおすすめの飲み方!
香りが良く透明感のある飛露喜は、基本的にはよく冷やした冷酒で飲むのがおすすめです。
ただ、香りもナチュラルで、お米の味わいを存分に生かしたオーソドックスな造りなので、少し温めて燗酒で飲んでも味わいは損なわず、こうした飲み方を好むファンもいるようです。
『飛露喜』の特徴!
女将さんの手書きのラベル!
飛露喜のラベルは、廣木健司氏の母親である女将さんの手書きによるもの。
最初の頃は手書きで書いていたものの、飛露喜がブレイクし出荷本数が増え始めると追いつかなくなり、最初はコピーに、そして印刷へと変わっていきました。
人気ゆえの蔵の張り紙!
会津坂下町には三軒の酒蔵がありますが、どれも町内のメインの通りに面しています。
廣木酒造本店には直接ファンが購入に訪れるためか、「蔵ではお酒の販売はしていない」という張り紙がされています。
福島県内にも飛露喜フォロワーの蔵元が・・・!
福島県内の酒蔵は横のつながりが強いと言われますが、廣木酒造本店も後進の蔵元たちに自分の持つ技術を惜しげもなく伝えてきたと言います。
県内からは『飛露喜』よりも後の世代からも、『寫樂』、『ロ万』、『天明』、『弥右衛門』など数多くのヒット銘柄が登場しています。
自分たちの技術を惜しみなく伝授する懐の広さも、飛露喜が人気の理由の一つかもしれませんね・・・!
『飛露喜』オススメの一本!
飛露喜 純米大吟醸
『飛露喜 純米大吟醸』は、上品な香りと透き通るような口当たりを持つ名酒です。
口に含んだ瞬間にふわっと広がる吟醸香の甘美な香り、味全体を引き締める程よい酸味・・・
どれを取っても一級品です。
温度は5~10度の冷酒で味わうと、『飛露喜 純米大吟醸』の旨さを最も楽しむことができます。
チーズなどとも良く合い、ついつい飲み過ぎてしまうことも・・・
筆者がオススメするお気に入りの日本酒の一本ですので、ぜひとも味わってみてください!
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