日本酒を飲む方ならば、一度は耳にしたことのある名称『純米酒』。
「日本酒はよく飲むけど、”純米酒”の意味ははっきりと知らない」、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、たった3分で分かる”純米酒”の飲み方と特徴についてご紹介します。
“純米酒”の意味を知るだけで、日本酒をさらに楽しめるので、ぜひ覚えておいてくださいね!
【日本酒】純米酒とは!たった3分で分かる 純米酒の飲み方・特徴!
Contents
純米酒とは?
純米酒とは、米と米麹と水だけで造られた日本酒を指します。
原料となる酒米の持つ旨味や風味が活かされたコクのある味わいを持つことが特徴で、冷や・ぬる燗で飲むと美味しく味わうことができます。
かつては、「純米酒」と名乗るには、精米歩合は70%以下でなければならない、という要件がありました。
しかし、2004年1月1日から精米歩合に限らず、「純米酒」の表示ができるようになりました。
ただし、純米酒と表示する場合には、必ず精米歩合の表示が義務付けられています。
純米酒かどうかはラベルを見るだけで一目で分かるということですね!
ラベルを見る際に精米歩合をチェックするようになると、さらに日本酒選びが楽しくなります。
“純米酒”と”本醸造酒”の違い!
「純米酒」と並び、よく耳にするのが「本醸造酒」。
日本酒の分類としては、まず「純米酒」と「本醸造酒」の2つに分けられます。
そこで、「純米酒」と「本醸造酒」の決定的な2つの違いをご説明します。
“純米酒”と”本醸造酒”の違い① :原料
まず「純米酒」・「本醸造酒」の決定的な違いは、”原料“にあります。
純米酒は、米・米麹・水だけで造られるのに対し、本醸造酒は、米・米麹・水に加えて、醸造アルコールで造られます。
純米酒=米・米麹・水
本醸造酒=米・米麹・水・醸造アルコール
醸造アルコール添加の有無が純米酒と本醸造酒の違いというわけです。
醸造アルコールとは、でんぷん質物や含糖質物から醸造されたアルコール(濃いめの焼酎のようなもの)です。
醸造アルコールを添加し日本酒を造る手法は、江戸時代から伝わる伝統的な技術です。
なかには、アルコール添加により、かさ増しし、コストカットしているという意見もありますが、実は、醸造アルコールを添加する方が酒質向上に繋がるケースがかなり多く見られます。
アルコール度数の低いお酒は、製造過程において、雑菌などにやられてしまうことがあります。
醸造アルコールには、防腐作用や香りやキレの向上、発酵を抑えるなどの効果があり、味の調整に最適なのです。
こうした技術が江戸時代から脈々と受け継がれているというのだから驚きです。
“純米酒”と”本醸造酒”の違い②:味わい
「純米酒」・「本醸造酒」の違いは、日本酒の味わいにも現れます。
それぞれの味わいは、大きく分けて、
純米酒=濃醇甘口
本醸造酒=淡麗辛口
となる傾向があります。
また、純米酒は本醸造酒と比べると、酒蔵ごとの個性や、酒米の個性が出やすいといわれています。
同じ銘柄の日本酒でも、純米酒か本醸造酒かで味の違いがあるので、是非飲み比べてみてください!
純米酒の歴史!
戦時中〜戦後にかけ、日本は食料などの物資が不足していました。
当然、日本酒を造るためのお米も不足しており、「米と米麹のみで造る純米酒は、高級酒である」という理由から認められていませんでした。
時代背景を鑑みると仕方ないことですが、この時期はアルコールを加えることで日本酒の全体量を維持しようとする政策がとられていました。
そんな中、日本で初めて純米酒のみ100%にした『神亀』などの蔵元たちの血の滲むような努力により、徐々に純米酒造りが広まりました。
関連記事:『【埼玉】日本で最初の純米酒!究極の食中酒”神亀”』
純米酒の種類!
純米酒は、原料・製造方法などの違いによって、酒税法上、4種類の特定名称酒に分かれます。
日本酒を飲む方ならば、必ず耳にしたことがある名前なので、是非その違いを覚えてみてください。
① 純米大吟醸酒
使用原料:米・米麹・水
精米歩合:50%以下
香味:吟醸造り 固有の香味 色沢が特に良好
精米歩合が低いため、価格は高い傾向にあります。
② 純米吟醸酒
使用原料:米・米麹・水
精米歩合:60%以下
香味:吟醸造り 固有の香味 色沢が特に良好
特別純米酒と同じ精米歩合が義務付けられていています。
③ 特別純米酒
使用原料:米・米麹・水
精米歩合:60%以下、または特別な製造方法
香味:固有の香味 色沢が特に良好
原材料の種類によって酒質が異なり、個性が出るのが特徴です。
④ 純米酒
使用原料:米・米麹・水
精米歩合:規定なし
香味:香味・色沢が良好
日本古来の酒で、濃醇な味わいの日本酒が多いのが特徴です。
酒米の精白度の高低によって味に変化が出る傾向にあります。
「純米大吟醸=価値が高い・純米酒=価値が低い」ではない!
先程も述べたように、純米酒は「純米大吟醸酒・純米吟醸酒・特別純米酒・純米酒」の4種類に分けられます。
ここで重要なのは、”純米大吟醸酒が価値が高く、純米酒は価値が低い、ということでは決してない“ということです。
これらの4種類の区分けは、あくまでも製法や原料による区分であり、その味の価値やランクを位置付けたものではありません。
酒の味には、原材料の種類や水、土地の風土、作り手の技術など、様々なものが関係しており、「純米大吟醸酒だから〜」「純米酒だから〜」という判断はできません。
その証拠に、「純米大吟醸酒」と名乗れるのに、「純米大吟醸酒」などの特定名称酒をあえて名乗らない日本酒も存在します。
精米歩合の数値が低いほど値段は高くなるため、純米大吟醸酒の方が高くて良いお酒と思ってしまう人も多いのは事実です。
しかし、生酛発酵など、手間がかかる日本酒は純米大吟醸だけではありません。
「大吟醸」「純米大吟醸」といった名称に惑わされず、本当に自分が美味しいと思える日本酒を味わってほしい、という酒蔵の想いから、こうした日本酒が造られています。
“純米酒”と”本醸造酒”の違いは、原料に醸造アルコールを添加しているか・していないか、の違いだけです。
ただ、この違いは日本酒の味わいにも大きく影響してきます。
“純米酒”について、少し知るだけでも、日本酒の楽しみ方が少し変わってきます。
次に日本酒を飲む際には、ぜひとも “純米酒”と”本醸造酒”の違いをみてみてくださいね!
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