近畿(滋賀・京都・大阪・奈良・和歌山・兵庫)の日本酒の特徴!

近畿(滋賀・京都・大阪・奈良・和歌山・兵庫)の日本酒の特徴!

滋賀の日本酒の特徴!

滋賀の日本酒の味わい!

滋賀の日本酒は、ソフトな飲み口で甘辛中庸な味わいが多いことが特徴です。

また、滋賀の日本酒は”近江の地酒“と呼ばれ、蔵元によって独自性を持った日本酒を醸すことでも知られています。

 

滋賀は、酒造好適米である「玉栄」や「日本晴」の生産量が日本トップクラスで、他にも地元産酒米を使用した日本酒造りも盛んに行われています。

玉栄から醸される日本酒は、キレのある辛口になりやすい傾向にあります。

また、玉栄と山田錦から生まれた「吟吹雪」など、滋賀は酒米が豊富な土地としても有名です。

 

自然豊かな”近江の地酒”!

滋賀県内各地には約40以上の蔵元が存在しています。

かつては約200もの酒蔵があったといわれており、古くから自然豊かな滋賀の日本酒は、”近江の地酒“として人々に愛されていました。

 

日本最大の湖・琵琶湖を囲むように蔵元が点在し、土地ごとに違った味わいを持つ日本酒が醸されます。

琵琶湖には400本以上の川が流れ、また、自然豊かな山々に囲まれています。

そんな大自然から流れ出した綺麗な水で醸される近江日本酒は格別です。

 

京都の日本酒の特徴!

京都の日本酒の味わい!

京都には約50の蔵元が存在し、その半数は伏見地区を中心に、もう半数は丹後地方を中心に点在します。

そんな京都で醸される日本酒は、伏見地区と丹後地方では全く違った味わいがあります。

伏見で醸される日本酒は、軟水を活かしたキメ細やかさと、柔らかい味わいが特徴です。

一方で、丹後地方で醸される日本酒は、濃醇で重厚感のある味わいとなります。

 

県産酒米には「祝(いわい)」があり、伏見を中心に京都の酒蔵で使用されています。

「祝」で醸す日本酒は、端麗な味わいと独特な香りになるのが特徴です。

 

古都で栄えし”伏見の女酒”!

日本の長い歴史において、長い歳月に渡り都として栄えた京都は、日本一の酒どころでもありました。

安土桃山時代、豊臣秀吉が伏見城を築城したことを境に京都・伏見での酒造りは、さらなる盛り上がりを見せます。

伏見の日本酒は、江戸時代に灘(兵庫県)の酒が台頭してくるまで、永らく栄華を誇りました。

 

そんな伏見の酒造りを支えたのは、「伏水(ふしみず)」と呼ばれる良質な湧き水です。

伏水はミネラル分をバランスよく含んだ中硬水で、きめ細やかな口当たりとフワッとした優しい甘みをもつ日本酒を醸します。

 

伏見の日本酒は、よく「灘の男酒、伏見の女酒」と表現されます。

女酒は”柔らかな甘口のお酒“、男酒は”引き締まった辛口のお酒“を指します。

硬度が低い仕込み水で醸される伏見の酒は甘みを持った日本酒となり、ミネラル分を豊富に含んだ仕込み水で醸される灘の酒は辛口の日本酒となります。

伏見(京都)や伊予(愛媛)の日本酒は甘口のタイプが多く、女性からも人気があります。

奈良県の日本酒の特徴!

奈良県の日本酒の味わい!

奈良県の日本酒は、膨らみのある豊かなコクをもつものが多いことが特徴です。

奈良県には、奈良・桜井・吉野を中心に約40の蔵元が存在します。

奈良は、日本最古の酒殿がある春日大社や三輪山を御神体とした大神神社があるなど、古来より日本酒に縁の深い土地でもあります。

 

日本最古の酒殿!春日大社!

春日大社は、約1300年の歴史を持つ由緒ある神社です。

かつて、茨城県鹿島から神様が白鹿に乗ってやってきたことが始まりとされています。

 

春日大社には、日本最古の酒殿(さかどの)があります。

酒殿は、その名の通りお酒を造る場所で、かつて、大きな神社では酒造りが盛んに行われていました。

春日大社での酒造りは現在も行われており、平安時代から続く春日祭では、神前に供える社醸酒が造られます。

 

2016年には、20年に1度行われる国宝殿の大修理「式年造替(しきねんぞうたい)」を記念し、奈良豊澤酒造が醸す純米吟醸酒『造替』が発売されました。

「造替」は、山田錦の芳醇な米の旨みを楽しめる逸品です。

春日大社境内授与所で購入できるため、是非一度、足を運んでみてください。

和歌山県の日本酒の特徴!

和歌山県の日本酒の味わい!

和歌山県の日本酒は、温暖な気候を背景に造られ、旨みとコクをもつ濃醇な味わいが特徴です。

和歌山県には、和歌山・紀ノ川・海南を中心に約20の蔵元が存在します。

和歌山は、梅酒が有名な土地でもありますが、紀土や黒牛など全国的に名を馳せる銘酒を輩出する県でもあります。

 

大阪の日本酒の特徴!

大阪の日本酒の味わい!

天下の台所“と呼ばれた大阪の日本酒は、料理に合う、やや軽めな味わいが特徴です。

江戸時代中期以前は、池田・境を中心に盛んに酒造りが行われ、一大酒造地として有名でした。

現在でも、淀川流域や和泉地区を中心に約15の蔵元が存在します。

 

商人の町・大阪の”下り酒”!

安土桃山時代、豊臣秀吉の大阪城築城に伴い、大阪は”商人の町“として発展しました。

商いの発展とともに、泉州・堺の商人は、大阪より醤油や木綿、油などに加え、酒を江戸へ回送し始めます。

江戸時代には、和泉・河内・摂津の三州から江戸に向け、大量の酒が運び込まれ、人気を博しました。

このように江戸へと運ばれる酒は「下り酒」と呼ばれ、他の追従を一切許さないほどの圧倒的な人気を誇りました。

 

兵庫の日本酒の特徴!

兵庫の日本酒の味わい!

兵庫県の日本酒は、硬水である「灘の宮水」のほか、酒米の王様「山田錦」で醸される芳醇な味わいが特徴です。

兵庫県には、日本最大の日本酒生産地「灘地方」を中心に、約80の蔵元が存在します。

清酒生産量が全国一を誇る兵庫県は、丹波杜氏や但馬杜氏など、出身杜氏も多いことで知られています。

最高峰の水・酒米・技で醸される兵庫の日本酒は、”日本一の酒“の名をほしいままにしています。

 

日本酒の代名詞!”灘の男酒”!

日本酒といえば、”灘の酒”」と言われるほど、灘の日本酒は圧倒的な知名度を誇ります。

灘の酒は、仕込み水に「宮水」を使用します。

硬水である宮水を使って醸される日本酒は、新酒の間は荒削りで腰のしっかりとした酒質となり、その荒く若々しい味わいから”男酒“とも呼ばれます。

 

しかし、一度、夏期の貯蔵熟成を行うと、荒々しさが消え、バランスの取れた張りのある酒質へと変化し、一層美味しい日本酒となります。

このように、秋になると香味が整い、より熟成した味わいへと変化することを「秋上がり」・「秋晴れ」と呼びます。

 

秋晴れは、灘の日本酒にしか見られない最大の特徴です。

灘の日本酒を味わう際は、是非、新酒と秋晴れした灘酒を飲み比べてみてくださいね!

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